家族の心のケアができなかった話【我が子からのダメ出し】

仕事

 看護師として20年も働いていると、患者さんからの質問にスムーズに答えられることがほとんどです。

急いでいるときなんてこちらが先読みして説明しますから

「自分が気付いていないことまで気を配ってくれる」

なんて言われたりしますからね。

勘違いしやすいんですよ、患者さんへのフォローはできているって。

先に結果を書いてしまいますが、家族は不十分であることを教えてくれました。

以前、コミュニケーションについて記事を書いたのに、反省することばかりです。

自分の態度を振り返るきっかけ:子どもからのメッセージ

先日、学校で日本の戦争や震災の学習があったようです。

そのことで子どもが落ち込んでいる様子がありました。

それに対して

「過ぎてしまったことだし、前を向いてやっていこうよ」

のような内容を、考え抜いたうえで返答しました。

過去のことは振り返るなって。

早く元気になってほしかったし。

それに対して

「お母さんて、冷たい。」

と、言われてしまいました。

えええええーーーーーーー。

だってだって、戦争って終わったことを話に聞いたんだよね?

何がいけなかった?

「保健室の先生は打ち明けたら全然違う話をしてくれたよ。プロだなって思った。」とのこと。

私も一応プロなんだけど、、、という余計な一言は置いておいて自分を振り返ってみることにしました。

傾聴の基本的姿勢

 傾聴とは、相手の話に耳を傾け相手を理解することです。

話を遮ったり、否定的発言も不要です。

励ましもいらないし、ただただ相手の話を聞きます。

相手が自分の気持ちを吐き出すことで、本人の考えや思いを整理する手助けをするのです。

そのためには、相手の気持ちを繰り返して確認したり、言語化へのヒントを出すこともあります。

看護師は、相手の気持ちに自分自身がかき乱されないようにしないといけません。

相手の感情を認めながら、受容的に、かつ冷静な態度が求められます。

看護師として勤めていると、家族が取り乱したときにはピピっとこの態度が自分の中から湧き起ってきます。

しかし、家族である子どもにできていませんでした。

傾聴してくれない母に子どもは話す気が無くなってしまったわけです。

振り返ると

 まず、子どもの不安な気持ちを受け止めることを忘れていました。

我が子の不安をどうにか取ってあげたいという自分の気持ちが前面に出てしまった。

ちなみに学校の校医の先生は

「そういう気持ちはおかしくないよ。」

と、まず受容してくれたそうです。

これを聞いたときにハッとしました。

子どもは、周りの友だちは平気だったのに自分だけ落ち込んでしまったことが引っかかっていたのです。

そういえばこの年代って、友達との関係に重きを置いている年頃でした。

忘れていました(←やばいですね)。

戦争や震災の話で落ち込むのは当たり前だという気持ちがあったので、そこについてはすっ飛ばしてしまいました。

先生は、子どもの普段の性格やつらくなるまでの流れを聞き出し、それをひもほどいて丁寧に説明してくれたんだそうです。

・・・うーん、プロだわ。すごいよすごいよ。

今後は思春期の敏感な年ごろのお子さんと関わる時は気を付けようと、素直に反省しました。

反省

 現場では忙しさを理由に患者さんに寄り添う時間を取ることができていません。

それでなくても、定時に仕事が終わらないからです。

患者さんにも

「忙しいねぇ。」

なんていわれる日もあります。すみません。

でも、だからこそケアする手に、ちょっとした言葉に思いを乗せて患者さんを応援しているつもりでした。

本当にそれができているのかもう一度自分を振り返って仕事していこうと思います。

また、傾聴は同僚や後輩との話し合いの場でも必要なテクニックだと思います。

相手の主張に対し

「そうだね」

と一言付けるだけで、その後の展開がうまくいく事例を何度も経験していますから。

今回の件で立ち止まって振り返ることができて良かったです。

身近に自分の態度をいさめてくれる人がいることはとてもありがたい。

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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