看護師の前残業【看護師をお勧めしない理由の一つ】

仕事

 私たち看護師が業務開始前に出勤してパソコンの前で何をやっているのか。

看護師を家族に持っている人からすれば一度は思う疑問の一つです。

ずばり、ほとんどがパソコン作業ですね。

前残業は給料が発生しない病院がほとんどですが、これをよしとする悪習慣がいまだに続いています。

その内容をここで書いていきます。

院内メールの整理

 休暇中にたまったメールや、委員会、病棟からのお知らせなど院内メールを開くと必ず何通か届いています。

重要メールもありますので、出勤すると必ず最初に確認するようにしています。

始業前の時間のないときは重要メールをメモして終業までに返信するようにしています。

自分に大きく関係ない内容もありますので、どちらかというとほとんどは既読にする作業をしている気分です。

病院旅行の選択や、プレゼント選択の場合、閲覧回数も時間も伸びます。

カルテ入力不備の修正

 次の勤務者がカルテを見ますと、勤務終了したほかのスタッフの記入漏れが自然と目につきます。

その場合、入力不備として教えてくれるので始業前に入力を済ませます。

ほとんどが業務の実施済みのチェック忘れ、コストの取り忘れだったりします。

5分もあれば終わる内容がほとんどです。

受け持ち患者さんの情報収集

その日に受け持つ患者さんの情報を紙にまとめます。

PNSになってから、日勤でも10人以上の患者さんのカルテを始業前に見終わらないといけなくなりました。

急性期であり、相手は人間なので毎日行う内容が変わる可能性があります。

そのため毎回ケア内容・時間・注意点の確認をする必要があるのです。

 日勤ですと、ほかの職種(リハビリ・栄養士・退院コーディネーターなど)の人から

「この患者さん、どうなりました?家族は?薬の効果はどうでしょうか。治療の方向は?」

と立ち話で質問されたりするので、業務内容だけでなく情報を持っている必要もあります。

また、カルテを読み込むことによって医師から出そうな指示もある程度予想できるようになります。

例えば

出血が多い→出血部分をはっきりさせるための検査や、止血のための処置を行うかもしれない。輸血の指示はないかな・・・

急な発熱→血液培養等の検体検査・CT・レントゲンなどの検査の追加、抗生剤の指示・変更。病変からドレナージ処置はするのかな・・・

とか。

予想がついている処置であれば、どんなに忙しくても指示を受けるときに心に余裕ができます。

そんなわけで、その日の受け持ち患者さんのカルテを読んでから業務を始めています。

カルテ内の情報は膨大なため、読み込めば見終わることはないです。

そのため、ついつい前残業を作ってしまうのです。

退院(転院)準備・処置準備・入院準備

 退院するときには、次回受診の案内票や退院処方の有無の確認、準備が必要です。

退院した後、他院へ受診する場合は紹介状やCD-Rが発生するときもあります。

転院するときにはそれに加えて

・退院証明書(A病院からB病院へ移る場合に、A病院からは退院してますよ、という証明書)

・他職種からの紹介状(リハビリサマリー・栄養サマリー)

・看護サマリー(入院中の経過や退院後にも必要な処置を記載する)

などの書類が必要なことがほとんどです。

これらは前日までに準備され、当日担当者が渡す前に最終確認をしますが、不備があると手間が増えます。

忘れ物が発生すれば、帰宅後や転院後に書類をそろえて郵送したりFAXしたりして仕事が増えますので、余裕をもって準備するようにしています。

転院の退院はほとんどが午前中で、体拭きや更衣も行わなくてはいけないので結構負担の多い仕事です。

転院退院の担当がない日は、予定入院の必要書類や処置内容の確認をしたり処置に必要な物品の準備をします。

結論

 前残業はほとんどがパソコン作業で、ケアを行うための準備です。

実際に手を動かして患者さんに触れる作業をするための準備に時間を割いています。

なぜパソコンでの情報収集が前残業になってしまうのか。

それは、仕事が始まると実務がたくさんあり、ナースコールも鳴り響いてゆっくりパソコンと向き合えないからです。

看護師の実務って、ケアの提供が主ですよね。

でも、ケアを提供するには情報がないと動けないんです。

その情報がカルテの中なので実務と別作業になっているのです。

電子カルテの内容を自分のスケジュールメモに整理しなおして実務を行っている実情は、改善点がたくさんあると思っています。

私の感覚なので異論はあると思いますが、それも踏まえた上で書きました。

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございます。

 

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