後輩の指導で困ったこと【古参看護師の回想録】

仕事

 看護師になってたくさんの後輩の指導をしてきました。

今日は後輩への指導を振り返って、自分が困ったことを書いていきます。

新人指導のベースになっているもの

 新人は業務が回せたら、まずはいいかなと思います。

余裕が出てこないと、仕事の疑問点って湧いてこないし。

どんどん看護についても伝えます。

聞かれてなくても詰め込むのです。

その代わり、2年目になるとかなり突っ込んで質問してますね。

これは今でもです。

援助しすぎた新人さんのこと

 新人さんとペアの日は、新人さんの分も情報収集して、ミスがないように先回りします。

新人さんが行動を起こすたびに付いていって、見守り、指導します。

そこで、足りないものや準備不足の物品が必ずあるんですね。

それを取りに、走ります・・・私が。

どうしても、ケアも手際が悪くて遅いです。

そうすると、知らないうちにやっちゃっているんですね・・・私が。

部屋を出るときに必ず振り返って、環境整備の抜けがないかチェックし、直します。

誰が・・・私が。

まぁ、私自身も負担が大きくなりますのでつらくなってきますよね。

しかもその新人さんが3年目にまで成長した時に、

「仕事した実感があんまりなかった」

と、言われました。

成長の機会を無意識にうばっていたのです

待てないことは私の最大の欠点だと思いました。

血管確保の時にしそこなった指導のこと

 若い子が点滴の針の留置を失敗すると、

「変わってください」

と、おばちゃん看護師を頼ってくれます。

一日に何人も依頼されて変わっていると、自分の業務をまわすことがつらくなってきました。

変わってもらった後輩は涼しい顔してパソコン作業をしています。

 それを同年代の同僚にぽろっとこぼしたところ

点滴の針が入らなくて依頼したんだから見学してもらうようにしたり、一緒に血管をさがしたらどうなの

と、提案されました。

確かに。

これに気付くまでに5年かかりました。

一緒に血管を探すことで、後輩の血管確保の技術が上がっていたかもしれないと思うと、かなりもったいないことをしました。

業務のスピードとともに丁寧さも求めることは難しい?

 業務を早くこなすことは決して悪いことではありません

それだけ多くの患者さんのケアができますし、同僚の手助けもできます。

しかし、早いだけだとひとつひとつのケアに手抜きが目立つようになります。

患者さんの体の扱いが雑になったり、ちょっとした変化にも気づきにくくなります。

早く業務を行うことができても、患者さんを明らかに見ていない、と思う後輩がいました。

また、仕事が遅すぎていつもほかの同僚に仕事を振っている後輩もいます。

ずっとパソコンの前にいる感じです。

口癖は「終わりません」です。

その後輩は患者さんのケアは丁寧ですが、かなり時間がかかります。

丁寧に仕事ができる分、他のスタッフが早く業務を回して支えている感じです。

その後輩たちには助言する機会がありますが、どうも有効なアドバイスが見つかりません。

人が変わるって、大きなきっかけが必要なのかもしれません。

関係図が書けない後輩

 学生の頃って、関係図、書きました?

樹形図みたいな。

一人の人って、さまざまな側面があって、さまざまな影響を受けてその人になっている、の図。

看護師になって、看護展開がうまく書けない後輩がいました。

全体像は把握できているのかな、と疑問に思ったので書いてもらいました。

提出されたものを見てみましたが、全然書くことができません。

家族の一人を思い出してもらって、その人で書いてもらっても広がりがありません。

一緒に考えましたが、関係図が完成しなかったことは苦い思い出です。

今後どうやって成長していくんだろうと心配していましたが、辞めてしまいました。

最後に

 若い同僚とともに働けることは幸せです。

感覚が若いですし、新しい情報も入ってきます。

指導するときには、自分が知っていることをどんどん教えます。

それとともに、いろいろ質問して、新しい考え方やモノのとらえ方を吸収するようにしています。

自分にもあと何年かすると、社会に出ていく子がいます。

若い人の思いを生の声で聴くことに大変価値を感じるのです

疲弊する日もありますが、頑張ります。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

 

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