血管確保のコツ【難しい血管確保のときにすること】

仕事
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 あけましておめでとうございます。

看護師として、今年初の記事は何にしよう・・・と考えましたが、そういえば、よく血管確保を頼まれます。

古参看護師のよくある話です、歳ばかり出世。

ならばそれについて私がやっていることを書こうと思います。

血管確保で注意するべきこと

針を刺してはいけない場所を把握してあるか。

→透析をしていたり、炎症があったり、ケガや麻痺があるなど刺してはいけない腕や箇所がないか確認を。

動脈ではないか

→血管に指を添えて拍動していないか刺す前には必ず確認を。

・アルコール消毒にアレルギーはないか

→刺すことにばかり集中してしまいますが、必ず確認を。

針の太さは指定されていないか

→手術や処置などは針の太さが決まっていることがほとんどです。

他のスタッフが刺した後はないか

→血管確保に失敗した箇所に再び刺すと、血管がつぶれていて逆血がないことが多いです。

細かく言い出すと利き手はどちらか、尿意はないか、手首周りのさせない場所がある、などなど他にも注意することはあります。

教科書に戻って安全に留意して行いましょう。

まずは腕全体を見てみる

 血管確保を頼まれたほとんどの時は、血管が見当たらなかったときや、失敗して二番手として選手交代した時です。

それはまるでハンター気分で挑む挑戦者。

そんな高揚を抑えて、まずは腕全体を見ます。

青く伸びた血管はないだろうか。

腕をひっくり返したりして、とにかく血管を探します。

難しい人ほど、裏側にあったりしますよ。

ちょっと変な体勢になりますが、裏側を向けてもらいながら針を刺します。

上腕にまっすぐな血管を見つけるときもあります。

ここで見つけられたらうれしいですよね。

見えるところに血管がない時:指の感覚に頼る

 最初の人があきらめるような血管なので、見えないことがほとんどです。

そうした場合は、駆血帯でしばって指で血管を探します。

この手技になってくると、職人のようになりますね。

自分の指の感覚で血管を当てるのですから、指先に全集中です。

私は左手の人差し指・中指・薬指を並べて探します。

だいたいこの3本の指先が並んだ長さだけまっすぐな血管であれば、点滴用の長い針が入るからです。

並べた3本を横にずらして、指に引っかかる感触がある部分を探すのです。

指を血管に対して垂直にずらして、腕全体で探します。

血管の感触に慣れるには普段から血管に触れて覚えておく必要があります。

そのためかな・・・私、よく気が付くと自分の血管触っているんですよ。

それでも血管がない時:手の甲の血管をねらう

 本当に血管確保が難しい時、手の甲の血管を見ます。

指先に近づくほど針の痛みが強くなるので、同意が得られた時だけ刺します。

手の甲にあるまっすぐな一番太い血管がねらい目です。

手の甲での血管確保は、手を洗う時や使う時に邪魔な場所であるため、固定は確実に行いましょう。

本当に血管が見当たらない時:温める・正中をねらう

 腕全体を温めても、血管が浮かび上がってこない時、最終手段として、腕の正中に刺させてもらいます。

正中だと、ひじを曲げたり、手を使った時に点滴が落ちなくなることが多いため最終手段です。

左の3本指で正中をとらえたら、そのまま抹消に向かって指をなぞらせることができる場合もあります。

それが可能なら、できるだけ肘からはなれた抹消の方で針を刺すようにしています。

必要があれば、同意を得て肘をシーネ固定することもあります。

寝たきりであれば下肢も狙います

 歩行や起立しない患者さんなら、下肢で血管を探すこともあります。

上肢で難しくても、下肢だとすんなり入る患者さんもいます。

見えにくい血管は慎重に刺す

 指の感覚で、血管の深さを予想して刺します。

浅ければ、寝かせた状態で刺すこともありますし、深ければしっかり角度をつけて刺します。

私の場合、難しそうと思ったら、刺す瞬間だけさっと刺しますがそのあとじわじわ針を進めます

突き破る可能性があるからです。

患者さんには謝りだおしです。

ゆっくり進む針ほど痛いものはないので。

針を刺したために、血管がずれた場合、血管が確実にあるのに逆血がこないときもあります。

「痛くないよ」と言ってくれるなら、針をちょっと戻して、針を持っていない方の手の指で血管を固定して再度刺します。

どうしても血管が逃げる場合は針を戻して、しっかり血管を固定したまま角度を左右に5度ぐらいずつずらして進め直すこともあります。

逆血がなくても、少し腫れていても入っているときはある

 逆血がほとんどなくっても、点滴を流したらスムーズに流れたことがありました。

血圧が低すぎたり、脱水がかなり進んでいたりするとこんなこともあります。

また、刺したところが小さく腫れていても、点滴を流したら腫れは広がらずスムーズに流れたことも何度かありました。

刺入部にピンポイントで内出血したものの、そのあと出血が止まり、なおかつ針は血管内に入っていたんだと思います。

どちらも、点滴の落ち具合と刺入部の観察、その後の変化もきちんと確認していますが大丈夫でした。

なんといっても経験が第一

 血管を探すコツと、血管の感触と、難しい症例の成功体験など。

血管確保が上達するには、何回刺したことがあるかの影響が大きいです。

私は育児で看護師のバイトをしていた時に、健康診断で1日に80人程度の採血をしていました。

振り返ると、やっていてよかったです。

とはいえ相性もありますから、私がだめでも他のスタッフが1回ですんなり入れてくれることもあります。

患者さんの苦痛が一番少なくなるような選択することも、看護師の大切な役目です。

というわけで、今年も頑張ります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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