PNS看護【実際にやっていますが無理を感じてます】

仕事

看護体制でPNS(パートナーシップ・ナーシング・システム)というものがあります。

看護師がペアとなって患者さんをみる方法です。

今までは、1人で6人、7人担当していました。

それが、2人で12人もしくは14人担当するわけです。

ネットで検索するとかなり評判がいいです。

いい評判は、いくらでもヒットするのでここではうまく適応できていない我が身のことを書きます

個人的意見ですので、参考までに。

PNSのマイナス意見が見つけにくい

 今回この記事を書くにあたり、PNSについてネットで調べましたが、マイナスな言葉と一緒に検索してもなかなか欲しい記事にヒットしないんですよね。

私の周り(新人ではないです)では、否定的な意見が多いんですが。

 我が病院では試験的に導入した病棟で、その年ベテランばかりが10人近く退職していました。

それでも翌年には全病棟導入の目標を掲げ、進んでいます。

現場の意見を無視してまで進める理由が分かりませんが、やらなければいけない何かがあるのでしょう。

どんな環境なら導入できるのか分からない

 例えば、看護師の人数。

日勤の看護師の人数って、実は正確ではないです。

だって、時短で途中で抜けるスタッフや、委員会で数時間不在になるスタッフの人数も含まれています。

外来対応で抜けるスタッフの数も含まれていますしね。

PNSを導入して忙しくなったと感じているので、人数が足りていないのかもしれません。

また、イベントや緊急入院の数はどうでしょうか。

うちの病棟では、1日に15人程度の入院があります。

当日入院、そのまま手術がざらです。

10時までに検温を終えて、入院に対応しようとすると

60(分)÷12(人) = 5 (分)

です。

一人当たり5分で検温するわけですが、それって検温以外特に何もしない人の検温時間です。

と、なるとだいたいの患者さんは慌ただしく検温されることになります。

また、看護師自身もかなりのタイピング能力が求められます。

タイピングが間に合わなくて、コピペの記録を指導する病棟もあります。

新人さんはほんとに負担が少ないのでしょうか。

仲の良い患者さんには

「なんか、2人で回るようになってから忙しそうだよね。」

と、言われてしまいました。

患者さんの情報把握が薄っぺらくなる

 最大14人の患者さんの情報を収集するわけです。

朝、何時に出勤すればいいですか?

情報収集って、私の中ではかなり重要な仕事です。

どんな生活環境の人が、どんな病気で入院していて、他にどんな病気があって、どんな治療を受けているのか。

治療に対する結果、経過、訴え、記録から見える人柄。

カルテにはたくさんのその人の情報が詰まっています。

30分で14人の情報を把握するのって・・・無理じゃないですか。

勤務開始1時間前から出勤していますが、なかなか時間までに情報収集が終わりません

必要最低限の情報しか持っていないので、声掛けも薄っぺらくなりました。

患者さんの深いところまで踏み込めない

 前述のように、PNS導入からはますます時間に追われて仕事をするようになりました。

以前のように、様々な思いを内包しながら交わす会話も、できなくなりました。

もちろん、そんな時間もありませんからそこはPNSが目指すものではないのでしょう。

イベントや入院の多い病棟では向いていないのでは

 イベントとは、手術・検査・処置・入院・退院・転院などの時間がかかる業務のことです。

いつも2人でできると思っているかもしれませんが、イベントがあれば片方抜けて一人でやってます。

こないだも、午前中のイベントのためにパートナーは不在となり、1人で10人以上の検温に回りました。

検温しながらそのうえ、退院対応もするわけですからね。

新人さんでは、大変だと思います。

 それでも、PNSを絶賛する病院が多いのですから、適応する現場があるということです。

もしかしたら、向き・不向きがあるのかもしれません。

イベントが少ない病棟はもってこいです。

入院も午後からしかないのなら、確かにできると思います。

力量を補い合うPNS

 2人で仕事を回すので、仕事が早い人も遅い人もお互い、譲り合いが生まれます。

仕事がゆっくりな人は丁寧なことが多いです。

仕事が早い人はたくさんの仕事をこなしています。

私は、ゆっくりな人に引っ張られます。

だって、丁寧な対応って憧れがあります、正しい。

遅い人は遅いままです。

それでも、早くこなすパートナーが仕事を片付けていくので終わるのです。

同じように、いつでも相談できるこの体制が、依存の強い新人さんを生み出しているとの意見もあります。

PNSで成長した新人さんが、いざフォローする立場になったときにできなかった、とPNSを中止した病院もあるほどです。

やはり、自立を目標に掲げることで、自主的に考えることができる看護師へ成長するということです。

PNSを評価する部分

 新人さんや、まだ病棟に配属されて日が浅い看護師、子育てなどで時短勤務をされている看護師にとっては、良いシステムだと思います。

困ったときや、迷った時、力が必要な時、仕事が回せないときに声をかけられる仲間が横にいるわけですから。

時間契約の看護師は、パートナーに残った仕事を投げて帰ることができます。

看護体制の理想(平社員のつぶやき)

 本音を言っていいなら、新人さんや時短で働く看護師など、本当にPNSが必要な人にだけ利用したらいいと思うんです。

そこがしっかりPNSできれば、他のスタッフはパートナーで動く必要がないと思いますが。

逆に、周りはPNSが実施できるように支えるべきです。

 新しいものを導入した後は、リサーチして現場の声をすくい上げてほしいです。

有効性があれば導入すればいいし、不適応なら今のままの体制でもいいし、一部導入でもいいのではないでしょうか。

もっと、柔軟性をもって取り入れられられたら・・・理想論でしょうね。

最後に

 看護体方式って、何種類もありますし、時代によって流行りもあります

平社員の立場では、上から実施の命令があれば実行するのみなのですが、今回はなかなか慣れることができません。

時代についていけない老体の自分を自覚しています。

早くこの体制、終わってくれないかなぁ。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

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