死にまつわる不思議な話【身内が亡くなったときの印象的な思い出】

介護

 以前、祖父母の介護をしたときの話を書きました。

書きながらいろんなことを思い出したので、ここに残したいと思います。

今回は家族が亡くなったときの不思議なエピソードに焦点を当てます。

祖父の死が近づいてきた時

 癌で闘病していた祖父は、いよいよ力が入らなくなって、病院のベットで過ごすようになりました。

自分で建てて住んでいた家に、生きているうちに一度は帰りたいんじゃないだろうか、、、。

そう思った私は、病院と打ち合わせをして家に帰る調整をしました。

食事をほとんど口にすることができなかったので、中心静脈点滴をしながらの帰宅でした。

2回帰りましたが、最初の1回は寝たきりでもまだ元気だったのです。

それで、ちょっと思い出にでもと考えて祖父の写真を撮りました。

後日現像すると、そこにたくさんの白い光が写っていたのです。

それが何かはいまだに分かりませんが、撮るべきでなかったと今でも反省しています。

また、祖父が亡くなる直前には祖父母の家はどうも雰囲気が暗かったです。

イメージ的には曇りの天気がずっと続いている感じ。

真っ暗ではないけれど、重くて暗い空気が家に覆いかぶさっている感じです。

もちろん、祖父は病院です。

そんな雰囲気を猫も感じ取るのか、祖父母の家の庭に野良猫が1匹死んでいました。

また、玄関横の駐車場でもやはり野良猫が1匹死んでいました。

猫って亡くなるとき、死に場所を探すって言いますよね。

私は心の深い部分で、この猫たちの行動を理解していた気がします。

取り立てて騒ぐようなことはしませんでした。

市の担当に連絡を取り、亡くなった猫は引き取られていきました。

祖父が亡くなる時

 その人が亡くなるときって、その人らしさが出ると先輩から聞いたことがあります。

戦争に行っている祖父は自立心が強く、それでいて破天荒な人です。

NHKの国会中継を見ては、政治や国の政策についていろいろ考える人でした。

そのため、臨終の祖父に付き添う親戚にあらかじめ

「おじいちゃんは、性格的に人に迷惑かけたくない人だからこっそり亡くなるかもしれない。死に気付けなくても、それは誰のせいでもないよ。」

と、忠告しておきました。

実際に、亡くなる時は24時間泊まり込みで付き添っていた伯父が寝落ちしてしまった短時間のうちに旅立ちました。

付き添っていたのに、亡くなる瞬間に自分が寝込んでしまったことを伯父は大変後悔していました。

私は祖父らしいな、と祖父の自分らしさを貫く姿勢に驚き、伯父に掛ける言葉が見つからなかったです。

 祖父が亡くなり、悲しみで胸がいっぱいの私にとって日常が普通に動いていることが不思議に思えて仕方ありませんでした。

火葬場からの帰り道、車で神社の近くを通ったときです。

ちょうどお祭りの日であったため昼間の明るい時間でしたが、開催の合図である花火が「ドーン、ドーン」と鳴りわたりました。

お葬式の日に景気良い花火の音を聞くとは、、、。

祖父にもう悲しむな、と言われている気がして心が軽くなったことを覚えています。

家に着くと祖父母の家を包んでいた暗い雰囲気はまったく無くなっていました。

祖母の死の話

 祖母は、認知症であったため闘病していてもあまり自分事としてとらえていない様子でした。

そのため、最後まで比較的穏やかに過ごせた気がします。

最期は緩和ケア病棟に入れてもらい、家族と一緒に過ごすことができました。

いよいよ呼吸が浅くなってきたとき、なんと!私は夜勤。

赤ちゃんの頃から育ててもらい、のちに介護をする立場で関わってきた私です。

気になりながらも、人の生き死にはコントロールできないと仕事柄心得ていたので出勤しました。

いつも私が付き添って病院に通っていたことを知っている緩和ケアの先生は祖母に

「もうすぐお孫さんが帰ってくるので待っていてね。」

と、語りかけてくれていたそうです。

夜勤が終わり、まっすぐ病室に入って私が顔を覗き込んだ時が最後の呼吸でした。

私が

「ありがとね。」

と、声をかけると祖母の目から涙が一粒、こぼれて頬をつたいました。

これが、私と祖母のお別れだったのです。

信心深く、義理堅い祖母らしい亡くなり方です。

それを見た緩和ケアのスタッフは

「やっぱりねー、待っていたんだね。」

と、口々につぶやいていました。

 祖母が亡くなってお葬式が終わる前に、祖母宅の木が一本枯れました。

玄関前の大きな鉢に植えられた私の背丈ほどある木の葉がすべて枯れて落ちていたのです。

これもよく聞く話です。

何なんでしょうね、悪い気を吸い取ってくれていると聞きますが、理由はよく分かりません。

ちなみに私に霊感はないです。

見える人でもないですし、日頃は科学的根拠をベースに生きています。

それでも、生命と向き合っていると不思議な出来事に出会うことは珍しくありません。

またいつか会う祖父母に恥ずかしくないように日々精進です。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました